これまで「閾値とは(AT値とLT値)」や「心拍数と運動強度 ~ どのメソッドが良いか?」といったエントリーでも言及したように、トレーニング強度やフルマラソンのレースペースを考えるにあたっては血中乳酸濃度がひとつの目安となります。ただし、血中乳酸濃度はそう簡単に知りうるものではないので、普段のトレーニングやレースには心拍数や走行ペースに基準を置き換えて考えているというのが実態です。

LT(乳酸性作業閾値)測定サービス

そんな中、横浜市スポーツ医科学センターで走行中の血中乳酸濃度を測定できるというなんとも好奇心をそそるサービスがあることを知り、早速申し込んで測定してきました。お値段は\6,200。まあ、レース1回分といったところでしょう。週末で予約ができたのは申込日から1ヶ月半先だったので、それなりに需要があるサービスのようです。

測定方法

血中乳酸濃度の測定方法は以下の通り:

トレッドミル(ランニングマシン)上で3分間ランニングを行い、その時の血中乳酸濃度を測定します。これを5~6段階のスピード(楽なペースからある程度きついペースまで)で行い、速度と血中乳酸濃度の関係からLTを算出します。

LT測定

出展 : 横浜市スポーツ医科学センター

事前に「10km・ハーフ・フルの自己ベスト、直近1年のベスト」、「直近1週間の練習メニュー」、「スポーツ歴」等かなり細かい内容を問診表に記入して提出し、それによって各段階でのペースが設定されます。私の場合6:15/km→5:33/km→5:30/km→4:33/km→4:10→3:51でした。また心拍計測用のベルトも装着し、走行時の心拍数も同時に計測します。

採血は耳たぶに特殊な注射器のような器具で小さな穴を開けそこから出血したものを採取していたです。穴を開けること自体は「カチッ」という音とともに一瞬で終わるのでほとんど痛みは感じません。ただ、血液を搾り出すかの様に耳たぶをつままれるのでそれが少し痛かったです。

測定結果

(3分+1分) x 6本を行った後、15分程で結果はレポートという形で返され、その内容について説明をしてもらえます。

その結果が以下の通り:

血中乳酸濃度の推移

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ううん、どうやら設定ペースが少し甘かったのか6本目でも4mmol/Lまで達しなかったようです。グラフで見てみると5:30km-4:30/kmペースではサブ3ランナーと比べて乳酸値の上昇が早いですが、4:30/km前後のスピードまで上がるとサブ3ランナーと比べても上昇の仕方がやや緩やかになっています。やはり持久タイプというよりかスピードタイプということでしょうか。フルよりハーフが得意であるのも説明がつきそうです。

AeT値とLT値

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血中乳酸値が2mmol/Lを維持できるペースがフルマラソンの最適ペースとのこと。「閾値とは(AT値とLT値)」で触れたAeT値として考えて良さそうです。前述のエントリーにもあるようにLT値/AnT値については定義がまちまちのようですが、ここでは血中乳酸値が4mmol/Lに達するポイント(OBLA)をざっくりLT値≒AnT値として解釈して考えます。今回4mmol/Lを超えるペースまでは測定できませんでしたが、少なくとも3:51/kmよりは早いようです。この点は少し意外でした。

フルマラソンの予測タイム

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そしてここから予測されるフルマラソンのタイムには3:04:15とのこと。正直あまり実感のわかない数値ですが、「ハーフマラソンのタイムからフルマラソンのタイムを予想してみる」の結果と併せて考えると、あながち不可能でもないのかなとも思えてきます。

ただ、4:22/kmペースでの心拍数が159bpmというのは、普段の練習で計測している数値や過去のレースペースと平均心拍数を考えると少し低い値である点が気になります。メーカーによって誤差があるとは言われましたが、どちらかというとトレッドミルの場合後方に蹴り出す力をあまり使うことなく比較的楽に走れるといった影響の方が大きいように思えます。その分を多少割り引いて考える必要はあるかと思いますが、それでも3:10:00-3:15:00は現実的な範囲な気がして少し自信になりました。

レースでの検証

今回は実測値だけあって信頼性は高そうですが、果たしてこの予測は自分には当てはまるのか。実際のレース(板橋Cityマラソン)での結果を踏まえて検証してみたいと思います。

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