マラソントレーニングに関する書籍や論文を見る限り、以下の3つがマラソンパフォーマンスに影響を及ぼす要素として密接に関わり合っているということが定説となっているかと思われます。

最大酸素摂取量(VO2Max)
乳酸性作業閾値(LT)
ランニングエコノミー

しかしながら、学術的な用語であるが故に、なかなかそれぞれの意味を理解するのが難しく、私自身消化するまで苦労した覚えがあります。

そこで、このエントリーではそれぞれの概念について、頭の中でイメージし易いように”ざっくり”と車に例えて一言で言語化することに挑戦してみたいと思います(厳密になればなるほど辻褄が合わなくなるのであくまでも”ざっくりと”)。

1.最大酸素摂取量(VO2MAX)

車でいうと「排気量」

車はエンジン排気量が大きいほど、より少ないエンジン回転数で大きな力を生み出すことができ、結果として最高速度も上がるのと同様に、最大酸素摂取量が多い(つまり、筋肉でのエネルギー燃焼に必要な酸素を多く肺から血管に取り込み、心臓ポンプの力で筋肉の毛細血管まで届けることができる)ほど、少ない心拍数で大きな力を生み出すことができ、結果として「速く走れる」といったところでしょうか。

参考:トレーニング方法

Intervalペースでのトレーニング(インターバル走)

2.乳酸性作業域値(LT値)

車でいうと「性能面での燃費の良さ」

車の場合ガソリンを燃焼して力に変えるとその副産物として排気ガスが排出されますが、同様に筋グリコーゲンを燃焼(代謝)して力に変えた副産物を乳酸として考えます。人間の場合、一定の速度までは、体内のエネルギー再生の仕組み(コリ回路)が働き、排気ガス(乳酸)を再利用することでガソリン(筋グリコーゲン)の消費を抑えることができますが、一定速度を超えると排気ガス(乳酸)を再利用しきれなくなり、燃費効率が悪くなります。LT値が高いほど、「速く、そこそこ長く走れる」といったところでしょうか。

参考:トレーニング方法

Thresholdペースでのトレーニング(閾値走)

3.ランニングエコノミー

車でいうと「走行面での燃費の良さ」

どんなに性能が良い車でもタイヤの空気圧が下がってぺちゃんの状態で走れば、燃費が悪くなるように、前に進む力をロスするようなフォームで走ると、無駄にエネルギーを消耗してしまいます。正しいフォームで走ることは、筋肉で生み出された力や、地面から受ける反発力を最大限前に進む力に変え、燃費の良い走りに繋がる。ランニングエコノミーが良い≒フォームが良いと「楽に(他の要素と組み合わせることで結果としてより長く)走れる」といったところでしょうか。

参考:トレーニング方法

Repetitionペースでのトレーニング、正しいフォームのドリル

まとめ

速く走れても、燃費が悪ければマラソンの距離は走りきれずにガス欠になってしまうし、逆に燃費が良くても絶対スピードが上がらなければ記録は頭打ちになってしまうので、どれか一つだけ鍛えてもマラソンパフォーマンスはなかなか上がらないということになります。

速く、長く、楽に走ることが必要なマラソンのトレーニングを行うにあたっては、目的を変えて様々な角度から取り組む必要があるということですね。個人的には上記3つの要素に加え、「そこそこ速く、長く走れる」AeT値という要素も関係しそうな気もしますが、この点については別の機会に考えてみたいと思います。

 

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