意外と大事なランニングエコノミー

マラソンのパフォーマンスに関わると言われる3大要素としては以下の3要素が代表的でありますが、

  1. VO2Max
  2. 乳酸性作業閾値(LT)
  3. ランニングエコノミー

個人的には1、2の方を比較的重要視していて、3はどちらかというとおまけのようなものとして考えていました。しかしながら、最近ではランニングエコノミーは自分が思っている以上に大事な要素であるのではないかと考えるようになっています。というのも、以下の様な自分の特徴は、ランニングエコノミーが悪い走り方をしている、つまり「脚の力に頼った走りをしている」ことに原因があるようにも思えるからです。

特徴1:ハーフまでのタイムの割にはフルのタイムが伸びない

5000mやハーフマラソンのタイムだけを見ると、理論上はフルマラソンでも3:10を切っても良さそうではありますが、実際にはそこまで速く走れないというのが現状です。「脚の力に頼った走りをしている」ことが原因と考えると、ハーフまでの距離なら足/脚の力でなんとか持つが、フルマラソンの距離までは筋力が持たないとも考えられます。

特徴2:マラソンの終盤でどうしても足/脚が攣ってしまう

痙攣に関しては切実な悩みで、色々な原因を調べたり考えたりしましたが、今のところ筋疲労が根本的な原因としてが有力な説のようです。となると、やはり「脚の力に頼った走りをしている」ことによって、筋肉に疲労が蓄積されていき、限界を越えた終盤で痙攣が発生してしまっているとも考えられます。

正しいフォームの言語化は難しい

上記のように考えた結果、自分のフォームを見直してみることにしました。それではランニングエコノミーの高い正しいフォームとは何でしょう?何を意識すれば良いのでしょうか?

一言でいえは「最小限の力で最大限速く走る」ことができるフォームが正しいフォームといえるでしょう。ただ、言うは易し行うは難しで、それが簡単にできれば苦労はしません。そのためにどうやって体を動かせば良いかがポイントとなります。一流ランナーや指導者の方々はそのような体の動かし方を既にを身に付けているとは思いますが、それを人に伝えるとなると別問題です。感覚的な要素が大きい為、正確に言語化して伝え、受け取った側も正しく理解して、自分の感覚に落とすところまで持っていくということは非常に困難な作業のように思えます。

それもあってか、速い人から受けたアドバイスを実際に試しても「言っていることはわかるんだけ、実際やってみようとするとなんかしっくりこない」ということがしばしばありました。また、ネットや書籍でランニングフォームについて調べようとしても、色々な人が色々な表現で言語化した情報で溢れかえっている為、何が正しいのかよくわからないといったような状況です。

目からウロコの考え方

そんな中、良い書籍に出会いました。全面的に同意といったわけではありませんが、ランニングフォームに関しては今までで一番腹落ちし、個人的には目からウロコな説明をしてくれているので、読書メモとして印象に残った点を抜粋したいと思います。いずれも「骨盤・胴体を起点とし、そこから脚や腕が動く」ことを論旨としている点が共通しています。言語だけでなく「漫画」や「動画」で分かりやすく伝える工夫もされているので実践もし易いと思いました。

1.大転子ランニング(みやすのんき)

人間の動きは全て股関節からの骨盤起動で説明がつきます。スポーツの世界もその真理に抗うことはできません。ところがランニングの指導書では肘を引くことにより肩甲骨が動いて、そして肩甲骨を動かすとことにより骨盤が動き自然に脚が前に出る、という説明がされています。

→そうそう。腕を振っても、肘を引いても脚が前に出る感覚が全く持てなかった心の声を代弁してくれました。

腕振りの主な役目は正に上体の免震装置なのです。足の大きな動きがもろに上体に伝わって頭や胴体が揺れてしまうのを、肩甲骨を含む腕を相対的に振ることで振動を吸収します。

→免震装置という表現は言い得て妙だと思いました。

例えば「引きつけ」だと、いかにも選手が意識してハムストリングの筋収縮で行なって引きつけているように誤解してしまいますが、これは実は逆で、大腿部を前に出そうとしている作用反作用で、膝下が勝手に上に「跳ね上げられ」ているだけなのです。

→これは完全に誤解していました。かかとを尻に「引きつける」のではなく、自然と「跳ね上げられる」ということが実際に試してみてわかりました。

速いランナーは、膝を上げようとせず地面に早く着地させようとしている。着地した足は後ろに蹴り出すのではなく、前にすぐ戻そうとしている。

→全く逆の意識でした。自分のピッチが少ないはこのせいだったのかもしれません。

2.ゼロベースランニング(高岡尚司)

脚は胴体の動きを地面に伝えるメッセンジャーであってランニングの主役ではありません。脚(足)で蹴らなくても、否、蹴らない方が速く楽に走れるのはそのためです。

→はい、今までは脚を主役に考えていました。

腕は「振る」のではなく「振られる」

胴体の動きは四肢の動きに先行する

体の中心にある胴体が走るための推進力を作り出し、腕や手はバランスをとることを主な役割とした方が効率的だということです。

→まさに!こうした胴体中心の考え方が一番しっくりきました。

これらの考え方をベースにすれば、例えば「フォアフット着地」といった考え方はどちらかというと胴体が先行して重心の真下で着した結果であって、はじめから体の末端に意識を置くべきではないということもわかります。

自分のものにできるか?

体の動かし方に関する感覚は人それぞれなので、これらの書籍の説明がしっくりくる人もいれば、こない人もいるかもしれません。個人的には、上記のポイントを実際の練習で意識することで、早速効果が現れたように思えます。今まではスピード練習をした翌日は結構な筋肉痛になったのですが(特にふくらはぎ)、脚の力に頼らない走り方を意識してからは、筋肉痛がほぼありません。

フォームの意識を変えてからまだ日は浅いですが、今後長い距離を走っても、意識をしなくても、自然とランニングエコノミーの高い走りができるように、練習を繰り返して自分のものにしていきたいと思います。

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