陥ると怖い”負のスパイラル”

10月も下旬に入りいよいよマラソンシーズンに本格的に突入しました。いい具合に仕上がってきた人もいれば、夏場の走り込みの疲れが抜け切らない人もいるのではないでしょうか。

こんな時に気をつけたいのが故障です。私自身もそうでしたが、走り込みが習慣化していると休むことで、せっかく積み上げてきた練習効果がリセットされてもったいないような気がして、多少疲労が溜まっていても無理をしてしまいがちです。疲労だけならまだしも、脚に違和感や痛みが出ている状態で無理をし続けると、故障に繋がるリスクがあります。

しかしレースを控えていたりすると、そう簡単に何日も休むということには抵抗があるもの。焦る気持ちから我慢できずに無理して走ってしまう。走るから故障が悪化して治りが遅くなる。走れない期間が長くなることがまた焦りを生み、治る前から走ってしまい更に悪化する。そんな負のスパイラルに陥ってしまうと、中々抜け出せなくなってしまうのではないでしょうか。

休むとどれぐらい走力が落ちるか

そうなってしまう前に、必要であればしっかりと休養を取って故障は防ぎたいところです。では実際のところ、どれぐらい休むと、どれぐらい走力が落ちてしまうのでしょうか。

ダニエルズのランニングフォーミュラ 第3版』にはこう書かれています。

何週間かトレーニングを行って心筋や活動筋が強くなったとき、筋力低下が生じるには時間がかかる。筋繊維と、その筋繊維に燃料を運搬する血管も、しばらくのあいだはわずかな変化にとどまる。

トレーニングプログラムを開始した直後は、比較的少ないトレーニングでも著しい効果があるが、時間の経過とともにそれは先細りになる。しかしトレーニングを止めても最初のうちは、得られた効果の消失速度は遅いため、時おり2〜3日の休みを入れても、さほど大きなマイナスにはならない。

となると、故障の不安がある場合には2~3日の休みを入れて様子を見たほうが良さそうです。

また、同書では休養日数とVDOT低下割合の関係(何日休むとどれ位走力が低下するか)が表にまとめられていますが、VDOTという独自の指標の為、それだけだとみても直感的にわかりづらいところがあります。そこで、現在サブ3、及びサブ3.5レベルの人が、それぞれ何日休むとどれ位走力が低下するのか、VDOTに相当するフルマラソンのタイムに換算して以下にまとめて見ます。

完全休養の場合

休養日数 VDOT
低下割合
サブ3 サブ3.5
VDOT タイム VDOT タイム
5日以内 100.0% 54 2:58:47 45 3:28:26
6日 99.7% 54 2:58:47 45 3:28:26
7日 99.4% 54 2:58:47 45 3:28:26
10日 98.5% 53 3:01:39 44 3:32:23
14日 97.3% 53 3:01:39 44 3:32:23
21日 95.2% 51 3:07:39 43 3:36:28
28日 93.1% 50 3:10:49 42 3:40:43
35日 91.0% 49 3:14:06 41 3:45:09
42日 88.9% 48 3:17:29 40 3:49:45
49日 86.8% 47 3:21:00 39 3:54:34
56日 84.7% 46 3:24:39 38 3:59:35
63日 82.6% 45 3:28:26 37 4:04:50
70日 80.5% 43 3:36:28 36 4:10:19
72日以上 80.0% 43 3:36:28 36 4:10:19

5日以内の休養であれば、走力の低下は起こらないとのこと。痛みが気になるような時は思い切って5日ぐらい休んでみるのも良さそうです。

脚を使った有酸素トレーニングをする場合

休養日数 VDOT
低下割合
サブ3 サブ3.5
VDOT タイム VDOT タイム
5日以内 100.0% 54 2:58:47 45 3:28:26
6日 99.8% 54 2:58:47 45 3:28:26
7日 99.7% 54 2:58:47 45 3:28:26
10日 99.2% 54 2:58:47 45 3:28:26
14日 98.6% 53 3:01:39 44 3:32:23
21日 97.6% 53 3:01:39 44 3:32:23
28日 96.5% 52 3:04:36 43 3:36:28
35日 95.5% 52 3:04:36 43 3:36:28
42日 94.4% 51 3:07:39 42 3:40:43
49日 93.4% 50 3:10:49 42 3:40:43
56日 92.3% 50 3:10:49 42 3:40:43
63日 91.3% 49 3:14:06 41 3:45:09
70日 90.2% 49 3:14:06 41 3:45:09
72日以上 90.0% 49 3:14:06 41 3:45:09

エアロバイクやエリプティカルのような脚を使った有酸素トレーニングをする場合には、さらに走力の低下を抑えることができるとのこと。これを見ると、例えば捻挫や足底筋膜炎、シンスプリントなどで医者から走ることを禁じられている場合も、このようなクロストレーニングをすることで、ある程度の走力維持はできそうです。

まとめ

生涯スポーツとしてマラソンを楽しむ為にもなるべく故障は避けたいもの。とはいえ、いざ走らないとなると不安な気持ちになってしまうのも事実。走らない方が良さそうだけど、走りたい、そんな時にはこの表を見直してはやる気持ちを抑えたいと思います。

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